散歩ライフ

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招き猫の豪徳寺と世田谷八幡宮を散歩

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

雑誌で見た豪徳寺の招き猫に、とても会いたくなり、豪徳寺界隈を散歩してきました。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。経堂駅から豪徳寺駅まで歩きました(約3.5km)。高低差の比較的少ないルートになります。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・烏山川:宮の坂駅を通る緑色の筋です。現在は、暗渠になり、烏山川緑道として整備されています
・世田谷城:豪徳寺の右下の黄色の部分にありました。現在は世田谷城址公園となっています。
U字状に烏山川 (緑色部分)に囲まれた台地の上にありました。天然の要害を利用した城に最適の地形となっていることが分かります。

大山道と世田谷城下について

小田原・北条氏の時代、世田谷城下の宿場には、楽市が開かれ大いににぎわっていたそうです。しかし、江戸時代になると商人は江戸へ移ってしまい、世田谷城下が閑散とした農村となってしまったそうです。

古道である大山道(旧道)は、三軒茶屋から遠回りして世田谷城址を経由し、用賀に至るルート(世田谷通り)でした。しかし、世田谷城下がさびれてしまったので、 大山道(新道)では、三軒茶屋から最短で用賀にむかうルート(246号・玉川通り)に変わったのではないかと考えられているようです。

街道が通っているから町は栄えるのかと思っていました。しかし、繁華街でなくなったら、街道から外されてしまうこともあるんですね。すごく面白いですね。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。経堂駅の南口から烏山川緑道を通って、 世田谷八幡宮に向かいます。

世田谷八幡宮

世田谷八幡宮の大鳥居です。
大鳥居のある低地から台地上の本殿に向かって、登ってゆきます。

世田谷八幡宮の土俵です。
江戸時代には、江戸郊外三大相撲の一つがここで行われていたようです。
ちなみに、他の2つは、渋谷氷川神社(渋谷区)、大井鹿嶋神社(品川区)です。
秋の例大祭では、近所にある東京農業大学の相撲部による奉納相撲が開催されているようです。

地形の高低差を利用して、客席から土俵が良く見えるように作られています。
円形劇場のようで、イイ感じです。

力石です。
相撲の力士が、力比べをしたのでしょうか?
最も大きいと思われる力石には、四十八貫(180㎏)と刻まれていました!
こんな大きい石をよく持ちあげたものですね。実物を見て感心しました。

台地の上に立つ本殿です。
世田谷八幡宮は、平安時代末期(1091年)に源義家勧進したそうです。
結構、歴史がありますね。

八幡宮の裏手(台地上)からの眺めです。
左側に続く下り坂が「宮の坂」です。今回のルートで一番の急坂になります。

急坂を体感したい気持ちを抑えて、坂上から東急世田谷線の線路を渡り豪徳寺へ向かいます。

東急世田谷線

東急世田谷線です。
運が良ければ招き猫をモチーフにしたラッピング電車に出会えます。
今回は残念ながらブルーの300系でした。でも、小振りでカワイイです。

豪徳寺

豪徳寺の裏門からアプローチしょうと思い来てみました。
残念、ここからは入れませんでした!

仕方がないので、時計回りにグルーっと半周して山門へ向かいます。

やっと 豪徳寺・山門に着きました。
豪徳寺は、江戸幕府重臣・井伊家の菩提寺です。
2代藩主の井伊直考の法名から豪徳寺と名付けたそうです。
井伊家と言うと領地は彦根と思ってしまうけど、世田谷にもあったんだったんですね。

招福殿の入り口です。
おお~! 招き猫のブロンズ像が鎮座しています。
ワクワクしながら中に入ってゆきます。

招福殿です。
左脇に招き猫が見えました。
いよいよ、招き猫にお目に掛かります。

通路の左右に所狭しと招き猫が奉納されています。
その数、なんと 1000体以上だそうです! 圧巻です。

願いが叶った人が、招き猫を奉納されるそうです。
こんなに多くの人に福が来た(願いが叶った)と思うと、なんだか幸せな気持ちになってきました。

ちなみに、彦根市ゆるキャラひこにゃん」は、豪徳寺の白猫がモデルになっているようです。

三重塔です。
一層目には干支の彫刻が施されているそうです。
この三重塔では、子(ネズミ)の代わりに猫の彫刻があるようです。粋な計らいですね。
猫の彫刻を見ようと目を凝らしてみましたが、辺りが薄暗く、見えませんでした。残念!

境内には2代藩主・井伊直考以降、江戸で亡くなった歴代藩主やその家族・藩士墓所があります。
もちろん桜田門外の変で暗殺された13代・ 井伊直弼もここに眠っています。合掌。

山門から門塀に向かって松並木の参道がまっすぐ続いています。
松並木の参道って珍しいですね。

門塀を抜けると烏山川の谷にむかって下り坂が続いています。
日が暮れてきました。残念ですが、タイムアップです。

今回は坂を下らりきらず、城山通りから世田谷線沿いの坂道を登って豪徳寺駅へ向かいます。
烏山川の谷や世田谷城址公園、大山道(旧道)は、次の楽しみに取っておきます。

今回は、ここまでになります。
あなたも幸せに気持ちになれる招き猫の豪徳寺を散歩してみませんか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・江戸・東京 古道を歩く: 古地図と地形図で発見!(荻窪圭・著/山川出版社

特に、「江戸・東京 古道を歩く」には、世田谷城址周辺の歴史について、詳しく解説されています。世田谷エリアの街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

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