散歩ライフ

街歩きを紹介するウエブマガジン

極楽水を探しつつ伝通院・白山神社を散歩~茗荷谷・白山~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、本で読んだ「極楽水(湧水)」の名前に惹かれ、極楽水を探しに行きました。併せて、徳川家康の生母「於大の方(おだいのかた)」の菩提寺・伝通院を散歩してきました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。後楽園駅から白山駅まで歩いてきました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・台地:地図の茶色から黄色部分です。大まかに左から小日向、小石川、白山、本郷の台地になります
・低地:川に削られた低地です。地図の緑色部分になります

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。
後楽園駅から春日通を西に向かって進んで行きます。

伝通院(でんづういん)

富坂(春日通)を上ってゆきます。
春日通の由来は、春日局(3代将軍・徳川家光の乳母)からのようです。すでに、徳川家ゆかりの土地なんですね。

程よい傾斜の坂がだらだらと続いています。
正面に見える中央大学を通り過ぎる辺りで、だんだんと上るのがきつくなってきます。

坂を登りきると、右に伝通院が見えてきます。
やっぱり、護国寺といい徳川家ゆかりに寺院は、台地上の良い場所に立地しているのですね。

伝通院・山門が見えてきました。
参道の道幅がかなり広いです。江戸時代は、この参道を含めお寺の境内だったようです。

伝通院・本堂です。
伝通院 の正式名称は、無量山伝通院寿経寺になります。
意外とシンプルなつくりでした。

境内の案内図です。
徳川秀忠(2代将軍)の長女・千姫など徳川家ゆかりの方のお墓が多くあります。

於大の方徳川家康・生母)のお墓です。
やはり、ひときわ立派です。合掌。

三百坂を経由して、吹上坂に向かいます。

茗荷谷

吹上坂を上って行きます。
上ってゆくと、ビルの谷間に、新宿の高層ビルの尖った天辺が見えてきます。いい感じです。

尾根筋を通る春日通を横切ると、庚申坂が見えてきます。

庚申坂の階段です。
階段の下が茗荷谷になります。茗荷谷東京メトロ車両基地として利用されているのがよく分かります。茗荷谷の奥には、小日向の台地が見えます。

少し階段を下りてみると、丸ノ内線がよく見えます。
手前に走っているのが、2000系車両ですね。正面が丸みを帯びていて、かわいいですね!

降りてきた階段を上って、いよいよ極楽水を探しに向かいます。

極楽水(ごくらくすい)

春日通を横切って、ふたたび吹上坂です。
今度は、下ってゆきます。

坂の途中でマンションの敷地に入ってゆきます。
歩行者に公開されているエリアなので、入っていっても大丈夫です。

少し奥まったところに、極楽水の看板が見えました!
「この下」とあるので、ワクワクしながら、近づいてゆきます。

残念ながら、水はありませんでしたが、痕跡はありました。
中央右側に升枠があります。ここから湧き出していたと思われます。

冒頭の地形図から、ここは台地と低地の境目になり、湧水スポットとしては妥当な感じです。
また、中央・左上には小さな祠↓があり、弁財天が祀られていることからも間違いなさそうです。

極楽水というからには、さぞや美味しい水が湧き出していたのだろうとしばし妄想を巡らせました。

マンションの公開敷地を突っ切ると播磨坂にぶつかります。

播磨坂を下ってゆきます。
春には桜の名所になるようです。春に訪れたいですね。

播磨坂を下ると小石川植物園にぶつかります。

白山神社

小石川植物園の脇にある御殿坂を登ってゆきます。
けっこうな急斜面、だらだらと長く続きます。かなりしんどいです。

上りきったら、すぐに蓮華寺坂を下って、白山神社に向かいます。

白山神社に続く階段です。真っすぐに続いて力強いですね。

白山神社・本殿です。
台地の突端に建っています。スリバチ好きにはたまらないポイントです。
お参りをして、参道をゆっくりと下って、谷筋(白山通)にある白山駅に向かいます。
今回は、ここまでになります。

あなたも台地の縁にある極楽水を探しながら、散歩してみてはいかがですか?

今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・江戸・東京 古道を歩く: 古地図と地形図で発見!(荻窪圭・著/山川出版社

特に、「江戸・東京 古道を歩く」には、極楽水のことが詳しく解説されています。伝通院周辺の街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:¥1,980(2021/12/28 7:00時点)、発売:2020年11月

招き猫の豪徳寺と世田谷八幡宮を散歩

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

雑誌で見た豪徳寺の招き猫に、とても会いたくなり、豪徳寺界隈を散歩してきました。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。経堂駅から豪徳寺駅まで歩きました(約3.5km)。高低差の比較的少ないルートになります。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・烏山川:宮の坂駅を通る緑色の筋です。現在は、暗渠になり、烏山川緑道として整備されています
・世田谷城:豪徳寺の右下の黄色の部分にありました。現在は世田谷城址公園となっています。
U字状に烏山川 (緑色部分)に囲まれた台地の上にありました。天然の要害を利用した城に最適の地形となっていることが分かります。

大山道と世田谷城下について

小田原・北条氏の時代、世田谷城下の宿場には、楽市が開かれ大いににぎわっていたそうです。しかし、江戸時代になると商人は江戸へ移ってしまい、世田谷城下が閑散とした農村となってしまったそうです。

古道である大山道(旧道)は、三軒茶屋から遠回りして世田谷城址を経由し、用賀に至るルート(世田谷通り)でした。しかし、世田谷城下がさびれてしまったので、 大山道(新道)では、三軒茶屋から最短で用賀にむかうルート(246号・玉川通り)に変わったのではないかと考えられているようです。

街道が通っているから町は栄えるのかと思っていました。しかし、繁華街でなくなったら、街道から外されてしまうこともあるんですね。すごく面白いですね。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。経堂駅の南口から烏山川緑道を通って、 世田谷八幡宮に向かいます。

世田谷八幡宮

世田谷八幡宮の大鳥居です。
大鳥居のある低地から台地上の本殿に向かって、登ってゆきます。

世田谷八幡宮の土俵です。
江戸時代には、江戸郊外三大相撲の一つがここで行われていたようです。
ちなみに、他の2つは、渋谷氷川神社(渋谷区)、大井鹿嶋神社(品川区)です。
秋の例大祭では、近所にある東京農業大学の相撲部による奉納相撲が開催されているようです。

地形の高低差を利用して、客席から土俵が良く見えるように作られています。
円形劇場のようで、イイ感じです。

力石です。
相撲の力士が、力比べをしたのでしょうか?
最も大きいと思われる力石には、四十八貫(180㎏)と刻まれていました!
こんな大きい石をよく持ちあげたものですね。実物を見て感心しました。

台地の上に立つ本殿です。
世田谷八幡宮は、平安時代末期(1091年)に源義家勧進したそうです。
結構、歴史がありますね。

八幡宮の裏手(台地上)からの眺めです。
左側に続く下り坂が「宮の坂」です。今回のルートで一番の急坂になります。

急坂を体感したい気持ちを抑えて、坂上から東急世田谷線の線路を渡り豪徳寺へ向かいます。

東急世田谷線

東急世田谷線です。
運が良ければ招き猫をモチーフにしたラッピング電車に出会えます。
今回は残念ながらブルーの300系でした。でも、小振りでカワイイです。

豪徳寺

豪徳寺の裏門からアプローチしょうと思い来てみました。
残念、ここからは入れませんでした!

仕方がないので、時計回りにグルーっと半周して山門へ向かいます。

やっと 豪徳寺・山門に着きました。
豪徳寺は、江戸幕府重臣・井伊家の菩提寺です。
2代藩主の井伊直考の法名から豪徳寺と名付けたそうです。
井伊家と言うと領地は彦根と思ってしまうけど、世田谷にもあったんだったんですね。

招福殿の入り口です。
おお~! 招き猫のブロンズ像が鎮座しています。
ワクワクしながら中に入ってゆきます。

招福殿です。
左脇に招き猫が見えました。
いよいよ、招き猫にお目に掛かります。

通路の左右に所狭しと招き猫が奉納されています。
その数、なんと 1000体以上だそうです! 圧巻です。

願いが叶った人が、招き猫を奉納されるそうです。
こんなに多くの人に福が来た(願いが叶った)と思うと、なんだか幸せな気持ちになってきました。

ちなみに、彦根市ゆるキャラひこにゃん」は、豪徳寺の白猫がモデルになっているようです。

三重塔です。
一層目には干支の彫刻が施されているそうです。
この三重塔では、子(ネズミ)の代わりに猫の彫刻があるようです。粋な計らいですね。
猫の彫刻を見ようと目を凝らしてみましたが、辺りが薄暗く、見えませんでした。残念!

境内には2代藩主・井伊直考以降、江戸で亡くなった歴代藩主やその家族・藩士墓所があります。
もちろん桜田門外の変で暗殺された13代・ 井伊直弼もここに眠っています。合掌。

山門から門塀に向かって松並木の参道がまっすぐ続いています。
松並木の参道って珍しいですね。

門塀を抜けると烏山川の谷にむかって下り坂が続いています。
日が暮れてきました。残念ですが、タイムアップです。

今回は坂を下らりきらず、城山通りから世田谷線沿いの坂道を登って豪徳寺駅へ向かいます。
烏山川の谷や世田谷城址公園、大山道(旧道)は、次の楽しみに取っておきます。

今回は、ここまでになります。
あなたも幸せに気持ちになれる招き猫の豪徳寺を散歩してみませんか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・江戸・東京 古道を歩く: 古地図と地形図で発見!(荻窪圭・著/山川出版社

特に、「江戸・東京 古道を歩く」には、世田谷城址周辺の歴史について、詳しく解説されています。世田谷エリアの街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,980円(2021/12/18 7:00時点)、発売:2020年11月

ビーフストロガノフを料理~ローレルの葉はどこにある?

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

美味しくて健康によいものを自分で作れたらと思い立ち、料理教室に通っています。
料理初心者の失敗談などを紹介したいと思っています。

11月のメインディッシュは、ビーフストロガノフでした。
一度だけ、ロシア料理のレストランで食べたことがあります。
とてもおいしかったので、記憶に残っていました。
メニューの名前を聞いただけで、食欲がわいてきます。

料理教室で料理

ビーフストロガノフの由来>
その昔、ロシア貴族のストロガノフ氏は、 ビーフステーキが好物でした。しかし、年老いると、歯の多くが抜け落ち、好物のビーフステーキが食べられなくなったそうです。そこで、食べやすい大きさに切った牛肉を、柔らかく煮込んだ料理が考案されたのが由来のようです。

教室では、ビーフストロガノフの他にバターライスと温野菜サラダも作りました。

料理教室の先生が作った料理の完成写真です。
ロシア料理だけに、マトリョーシカが飾られています。イイですね!

教室では4人チームで協力して、作っていきます。
自分たちのチームの完成写真です。上手くできました。出来栄えもなかなか良いです。

試食しました。以前レストランで食べた味とそん色ない感じです。
この味を自宅でも再現してやると意気込んで、帰宅しました。

材料を揃える

まず材料の買い出しです。
自宅にない材料をリストアップし、近くのスーパーに出掛けます。
牛肉、マッシュルーム、デミグラスソース、生クリームと順調に揃っていきます。

1つだけ見つからないものがありました。ローリエの葉です。

野菜売り場をくまなく探しましたがありません。
近くにいた若い男性店員さんに聞きました。
売り場を探してくれた結果
ローリエの葉ですか ちょっと置いてないですね」

仕方がありません。別のスーパーに探しに行きました。
最初から野菜売り場にいた中年の男性店員さんに聞いてみました。
「ローレルの葉は この売り場では取り扱いがないですね」

少し遠くなりますが、品揃えのよい大きめのスーパーに行ってみました。
今度は、年配の女性定員さんに聞いてみました。
「 ローレルの葉ですね。こちらになります」
野菜売り場からどんどん離れていきます。
こちらの質問がちゃんと伝わったのか不安になっていたら
なんと、スパイス売り場に来てしまいました!
そこで渡してくれたのが、コチラ↓になります。

ローレルの葉ってスパイスだったのですね。
野菜売り場には、あるわけがないですね。
スーパーの店員さんごめんなさい。私が悪うございました!

料理を習い始めて約1年経ちました。
この間、材料買い出しでいろいろ失敗して、もう大丈夫と思ったのですがまだまだですね。
材料の買い出しの時点から料理の勉強します!

さあ、材料が揃いました。料理に取り掛かります。

自宅で料理

料理が始まると、とても写真を撮っている余裕がありません。
完成写真だけ、なんとか撮れました。

見た目はイイ感じです。
食べてみました。

ビーフストロガノフは、コクがあっておいしいです。料理教室の味が再現できました!
バターライスは堅くて、ちょっと食べづらかったです。鍋でご飯を炊くのは、難易度が高いですね。
温野菜の茹で加減もほどよく、ヨーグルトマヨネーズがとてもおいしかったです。

今回の教訓

今回の教訓は、
「ローレルの葉は、スパイスである」です。

今回は、ここまでになります。このビーフストロガノフは、白米でも美味しく頂けそうなので、次回は炊飯器で炊いたご飯で挑戦したいと思います。

あなたも寒い冬にピッタリ、温かいビーフストロガノフを作ってみてはいかがですか?

次回は、ラザニアの予定です。お楽しみに!

国分寺崖線と静嘉堂文庫を散歩~二子玉川・後編~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、二子玉川周辺の国分寺崖線を巡る散歩の後編です。カトリック瀬田教会(下の地形図の②)から用賀駅(地形図の③)までの紹介になります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。二子玉川駅から用賀駅まで歩きました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
多摩川: 左下の川幅の太い流れです
・野川:左端中ほどから右下へ続く、川幅の細い流れです。二子玉川駅付近で多摩川と合流します
・低地:多摩川や野川などに削られて出来た低地です。地図の左下の緑色部分になります
・台地:右上の茶色から黄色部分です
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。立川から国分寺を経由し、田園調布あたりまで続いています
・丸子川:国分寺崖線下を、左上から右下に向かって流れています(地形図では分かりにくいです)

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

慈眼寺坂を登りきると、台地の上には、カトリック瀬田教会があります。
台地上にあるのは神社だけではないのですね。

教会の正面の道が大山道(旧道)です。そのまま進むと用賀に向かいます。
今回は、国分寺崖線を堪能したいので、まむし沢に向かいます。

まむし沢

台地上から、まむし沢を下り始めます。
まむしのようなS字カーブが続いています。

まむし沢の石碑です。
沢と言うことで、昔は川が流れていたそうです。今では、暗渠となっているようです。
イイ感じのS字カーブが続きます。

まむし沢を下りきると、またまた、丸子川に出会いました。
丸子川沿って、しばらく上流へ歩いてゆきます。

旧小坂家住宅

崖下のエントランスから旧小坂家住宅にアプローチします。
この住宅は、大正・昭和の実業家・政治家の小坂順造の別邸として建てられたようです。

エントランスを抜けると、目の前には庭園が広がっています。
国分寺崖線の南西斜面を利用して、うまく作られています。
庭を散策しながら、ゆっくりと坂を登ってゆきます。

坂上の旧小坂家住宅・玄関です。
玄関前の紅葉が色づき始めて良い感じです。

旧小坂家住宅の横の馬坂を下ってゆきます。
ぐぃーんと曲がるカーブの具合がとても良い感じです。

静嘉堂文庫

坂を下ると、正面に静嘉堂文庫の入口が見えてきます。

入口からすぐのところで、谷戸川にぶつかります。
谷戸川は、この先で丸子川に注ぎ込みます。

雑木林を貫く一本道を上ってゆきます。
辺りはとても静かなので、秋風にそよぐ木々の音が心地いいです。

坂を登りきると静嘉堂文庫が見えてきました。
タイル貼りの瀟洒な外観と丸く剪定された樹木がとてもマッチしています。
西欧に来たような感じを受けます。

静嘉堂文庫は、岩﨑彌之助と岩﨑小彌太の父子二代によって設立されました。
国宝7点、重要文化財84点を含む、およそ20万冊の古典と6,500点の東洋古美術品が収蔵されているようです。

岩崎家廟(三菱財閥創業家・岩崎家の納骨堂)です。
設計はジョサイア・コンドルです。
すごく立派な建物なので、とてもお墓には見えません。

静嘉堂文庫の丘より用賀方面を望みます。
手前には谷戸川が削って出来た低地が見えます。目線の高さに見えるのは聖ドミニコ学園の校舎です。台地上に建っています。
スリバチ地形がよく分かる眺めにテンションが上がります!

ゆっくりと谷戸川の低地に下りてゆきます。結構、高低差があります。

谷戸川です。
川の両側の地形が高くなっていることから、ここが谷だということを実感できます。

本日、最後の坂です。聖ドミニコ学園の横を通る坂です。
カーブの曲がり具合ととてもイイ感じです!
紅葉し始めた木立を中をゆっくり、坂を堪能しながら登ってゆきます。

今回は、ここまでになります。
あなたも国分寺崖線の地形を利用して造られた旧邸宅など散歩してみませんか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密(竹内正浩・著/ 宝島社新書 )

特に「重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、見どころの写真が豊富に掲載されていて、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。

もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
二子玉川エリアの国分寺崖線を散歩される方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,210円(2021/12/13 17:00時点)、発売:2019年3月

多摩川と国分寺崖線を散歩~二子玉川・前編~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

国分寺に端を発した野川が多摩川に合流するポイントや古道や国分寺崖線を散歩してきました。

長い距離を歩いたので、2回に分けて紹介します。
今回は、二子玉川駅(下の地形図の①)から慈眼寺(地形図の②)まで
次回は、 慈眼寺 ( 地形図の②)から用賀駅(地形図の③)までになります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。二子玉川駅から用賀駅まで歩きました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
多摩川: 左下の川幅の太い流れです
・野川:左端中ほどから右下へ続く、川幅の細い流れです。二子玉川駅付近で多摩川と合流します
・低地:多摩川や野川などに削られて出来た低地です。地図の左下の緑色部分になります
・台地:右上の茶色から黄色部分です
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。立川から国分寺を経由し、田園調布あたりまで続いています
・丸子川:国分寺崖線下を、左上から右下に向かって流れています(地形図では分かりにくいです)

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

二子玉駅のホームからの眺めです。
ホームが多摩川に突き出しているので、雄大な川の景色が楽しめます。大好きな場所の1つです。
数年ぶりに来てみたら、左の川岸にある楽天クリムゾンハウスが、かなりの存在感を出していました。

駅を出て、

丸子川です。
丸子川は、国分寺崖線下を流れているので、地形を見分ける目印になります。川の左側が台地、右側が低地になっています。
江戸時代に用水路として作られ、大田区の東側まで水を送っていたようです。見た目もまさに用水路って感じです。

川を渡るとY字路が見えます。
右側が古道・大山道(新道)です。大山道とは、江戸時代、関東各地から大山(神奈川県伊勢原市)への参詣者が通った古道の総称です。
後の方でも、大山道(旧道)が出てきます。お楽しみに!

二子玉川ライズ 目指します。

二子玉川ライズ

二子玉川ライズ周辺の地形が分かる図です。
実際に、 二子玉川ライズ・ルーフガーデンから国分寺崖線を方面を眺めてみます。

手前が低地、奥が高台になっているのが分かります。
中央に、赤い電車が走っています! 東急大井町線です。
右から左へ国分寺崖線を下ってくる形になります。高架の上を走っています。
目線の高さを電車が走ってるって言うのもいい感じです。

二子玉川ライズのルーフガーデンから多摩川の眺めです。
目の前に多摩川がゆったりと流れています。遮るものがないので、見通しが良く、眺めているだけでとても気持ちがいいです。しばらく、眺めを楽しみます。

今眺めていた多摩川に向かいます。

多摩川と野川

玉川東陸閘(たまがわひがしりっこう)です。
堤防の一部を削って、堤防内外の通路として整備されたものです。増水により川の水位が上昇した時には、この通路を締め切り、水が堤防の外へ流れ出るのを防いでいたようです。
安全性より利便性を重視して、堤防を削って通路を作ってしまったというのが面白かったです。
昔は、玉川遊園地などがある歓楽街だった影響でしょうかね。

兵庫橋から野川を眺めます。
東急線の高架下付近で、野川が多摩川に注ぎ込んでいます。国分寺日立製作所の敷地から始まった流れがここで終わってしまうと思うと、感慨深いものがありました。

大山街道(旧道)

古道・大山道(旧道)です。
大山道(新道)と比べ、商店街の中を通っているので、とても賑やかです。
二子玉川商店街をひやかしながら、ゆっくり歩いてゆきます。

商店街を抜けると、また、丸子川にぶつかりました。
道路の奥に、慈眼寺坂が見えています。いよいよ国分寺崖線を上って行きます。ワクワクします。

瀬田玉川神社・ 慈眼寺

慈眼寺坂を登ってきました。
坂は、この先、S字に続いてイイ感じです。
左は、瀬田玉川神社の参道です。
国分寺崖線上にある本殿に向かって、参道を登ってゆきます。

瀬田玉川神社の本殿です。
お参りをして、瀬田玉川神社に隣接している慈眼寺に向かいます。

慈眼寺です。
とても立派な山門です。仁王さんがガラス張りの中に! 珍しいですね。

慈眼寺の近くに、シャープなY字路がありました。
ブロック塀と家が一体で、能登半島軍艦島を彷彿とさせます。
塀の角が鋭利で痛そうな感じを受けます!

今回の街歩きは、ここまでになります。
あなたも野川が多摩川と合流するポイントや古道・大山道を探索してみてはいかがですか?

次回・後編は、瀬田教会からスタートして、国分寺崖線を上り下りします。お楽しみに!
後編はコチラ↓ からどうぞ!

今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社

「東京23区凸凹地図」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、地図上に川跡・暗渠、古道、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。
もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:2,200円(2021/12/9 17:00時点)、発売:2020年12月

「ほっこり野川の旅」に行ってきました・後編~小金井・三鷹~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、武蔵野コッツウォルズさん主催の「ほっこり野川の旅」の後編です。野川公園(下の地形図の②)から武蔵小金井駅(地形図の③)までの紹介になります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。東小金井駅から野川まで南下し、野川沿いを散策したあと国分寺崖線を上って、武蔵小金井駅に戻ってきました(走行・歩行距離:約10km)。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図・右上の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図・左下の黄色から緑色部分になります
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。立川から国分寺を経由し、田園調布あたりまで続いています
・野川:国分寺崖線に沿って、左上から右下に向かって流れています

それでは、実際に行ってみましょう。ツアースタートです。

野川公園・武蔵野公園

ピクニックランチの後、野川公園内を散策しました。

紅葉ピークのイチョウの大木です。
1本だけ広場の真ん中にドーンとありました。
根元から2本の木が分かれていますが、均整がとれて、とても素敵です。

イチョウの並木です。
落葉が地面を黄色く染めています。
落葉の上を歩いてみます。靴を通して感じる落葉の感触とカサカサと響く音が、晩秋を実感させてくれ、とても心地よいです。

野川公園内の自然観察園に向かいます。観察園は、国分寺崖線直下に広がっています。

レンジャーガイドさんと一緒に園内を歩きながら、今の時期に特徴的な植物の説明していただきました。ガイドさんの話は、植物への愛が溢れていて、とても話が面白かったので、写真を撮り忘れてしまいました。

この赤い実は、「サネカズラ」の実です。茎などからとれる粘液は、昔、整髪料に使われていたようです。ガイドさんが、粘液をわざわざ準備頂き、触らせてくれました。確かにネバネバして、髪を整えるのに使えそうでした。

ガイドさんと一緒に武蔵野公園に向かいます。

武蔵野公園のくじら山からの眺めです。
とても眺めがよいので、パノラマ写真を撮ってみました。
奥の森林の帯の部分が国分寺崖線です。その森林帯の手前に野川が流れています。
目の前に広がる眺望を見ていると、とても清々しい気分になります。

小金井新橋から野川の眺めです。
ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」のモデルになった場所の一つだそうです。スタジオジブリは、同じ小金井市内にあるので、この素敵な風景が採用されたのも頷けます。

野川の遊歩道を後にして、はけの森美術館に向かいます。

はけの森美術館・中村研一邸と茶室

はけの森美術館の裏にある中村研一邸と茶室に来ました。
ここも国分寺崖線の斜面を利用して作られています。

中村研一邸の主屋です。今は、カフェとして利用されています。
落ち着いた雰囲気のなか、ゆったりコーヒーを頂いてみたいです。

茶室・花侵庵(かしんあん)です。
中村研一氏は、茶碗を自作するなど茶に凝っており、庭の湧水も豊富に出ていたことから、ここに茶室を作ったようです。湧水で淹れたお茶は、どれだけおいしかったのでしょうか。想像するだけで、喉が鳴ります。

庭にある湧水スポットです。
雨の少ない秋ということもあり、ちょろちょろとしか湧き出ていませんでした。崖上が住宅地になってしまった影響もあり、湧水は少なくなっているようです。ちょっと、寂しいですね。
野鳥のさえずりが心を落ち着かせてくれました。

庭から表門に続く道です。
竹林の中を国分寺崖線を上ってゆくのは、趣きがあっていいですね。
京都の嵯峨野・竹林の道をほうふつとさせてくれます。

はけの道を通って、小金井の総鎮守・小金井神社に向かいます。

小金井神社

小金井神社の参道からの眺めです。
新しくなった社殿と紅葉がとても綺麗です。

社務所の前には、グラデーションの美しい紅葉があり、目を奪われます。

神社の狛犬です。
台座に関小次郎と書かれています。幕末・明治期の大親分だった小金井小次郎の本名です。子分は1200人余りもいたようです。 狛犬の寄進など神社の再建に力を尽くすなど仁義を重んじる人だったようです。神社の方が詳しく説明してくれました。

薬師通りを通って、滄浪泉園 に向かいます。

滄浪泉園(そうろうせんえん)

滄浪泉園の東側の坂を上って行きます。国分寺崖線を上る形になります。

弁車の坂(べんぐるまのさか)です。
きつい傾斜が長く続いています。ここを自転車で上って行きます。
3段変速を1番軽くして頑張りましたが、半分ぐらい来たところで力尽きました!
諦めて、自転車を押して登ってゆきます。押して登るものきついです……

滄浪泉園の池です。
夕方で辺りは薄暗くなりかけていたので、うっそうな感じでした。池の周りの紅葉はもう少しって感じです。

滄浪泉園は、明治・大正期の富豪・波多野承五郎の別荘として建てられました。庭園は、国分寺崖線の斜面と湧水を利用して巧みに作られています。

池の一角から湧水が湧き出していました。
豊富な湧水の様子を動画↓でご覧ください。

勢いのある流れです。せせらぎの音が和ませてくれます。
敷地内には、水琴窟(すいきんくつ)もあります。耳を澄ませば、心地よい音が疲れた心を癒してくれます。滄浪泉園も、再度訪れ、ゆっくり散策したいなと思いました。

「ほっこり野川の旅」は、ここまでになります。
野川流域でも小金井・三鷹・調布エリアは、広大な都立公園によって、自然が多く残されていることを実感しました。
今回のツアーは、野川流域の見どころを余すことなく網羅しており、とても楽しく、大満足でした。素敵なコースに招待して下さった武蔵野コッツウォルズさん、ありがとうございました。

今度は、花見の季節に徒歩で同じコースをゆっくりと回ってみたいと思います。

あなたも国分寺崖線の地形を利用して作られた邸宅や庭園・自然園・湧水を散策しながら、紅葉を楽しんでみては、いかがですか?

<主催者>武蔵野コッツウォルズ
https://www.musashino-cotswolds.jp/

「ほっこり野川の旅」に行ってきました・前編~小金井・三鷹~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、武蔵野コッツウォルズさん主催の「ほっこり野川の旅」に参加してきましたので紹介します。このツアーはモニター(無料)と言うことで、募集人数の約5倍の応募があったそうです。当選とても嬉しかったです。ありがとうございました。

内容盛り沢山のツアーだったので、2回に分けて紹介します。
今回は、東小金井駅(下の地形図の①)から野川公園(地形図の②)まで
次回は、野川公園( 地形図の②)から武蔵小金井駅(地形図の③)までになります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。
東小金井駅から野川まで南下し、野川沿いを散策したあと武蔵小金井駅に戻ってきました(走行・歩行距離:約10km)。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図・右上の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図・左下の黄色から緑色部分になります
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続いています
・野川:国分寺崖線の下を右下に向かって流れています

それでは、実際に行ってみましょう。ツアースタートです。

東小金井駅のSuicleポートで自転車を借ります。
今日、お世話になる自転車です。コンパクトな作りですが、3段変速が付いています。坂道も変速があれば怖くありません!

国分寺崖線

大森武蔵野苑です。
大正時代に建てられた築百年を超える豪邸です。国分寺崖線を利用した広大な庭園もあるようです。一般公開されておらず、中の様子を見ることが出来ないのが残念です。

現在は、テレビドラマのロケ地としてよく使われているようです。最近では「岸辺露伴は動かない・富豪村」(NHK)で使われたようです。

武蔵野公園97階段の上からの眺めです。
紅葉のピークでとても素晴らしい景色です。気分が晴れ晴れします。

この景色の中、自転車をおしながら、国分寺崖線をゆっくり下ってゆきます。

富士山も見えました!

崖下を野川沿いに進んで行くと、西武多摩川線に出会いました。
私の中で西武線=黄色なので、やっぱりこのカラーリングだよなって感じです。電車は、野川を高架橋で渡って、右(台地上)から左(低地)へ下っていきます。

野川沿いを下流へ進んで行きます

野川公園の湧水スポットに立ち寄りました。
もちろん、国分寺崖線下に湧き出しています。
豊富な湧水の様子を動画↓でご覧ください。

すごい水量です!
都心に近いエリアでこんな水量は滅多にみられません。
水に触れてみました。晩秋で外気が冷たかったせいか、生暖かく感じました。湧水は1年を通して、水温があまり変わらないとガイドさんに教えてもらいました。

野川沿いをどんどん下流に進んで行きます。

大沢の里/古民家・水車経営農家

大沢の里の古民家です。
青空に紅葉と古民家が映えます。しばらく見入ってしまいました。

昔、この古民家では、国分寺崖線下の湧水を使って「わさび田」を経営していたようです。
奥に石垣が見えます。そこに崖(国分寺崖線)が形成されています。

現在も「わさび田」が再現されています。写真の木の棒で囲まれた部分に「わさび」を植えているようです。

三鷹から国立まで、国分寺崖線下に「わさび田」が国立まで広がっていたとは驚きでした。
昔は、湧水がもっと豊富に湧いていたんですね。

大沢の里の 水車経営農家です。水車が再現されて勢いよく回っています。
水車の様子を動画↓でご覧ください。

ひき臼、ふるい、昇降機は当時のモノが残っています。
現在も使えるようで、年1回はお米を精米しているようです。ただし、音が物凄くうるさいとガイドさんが教えてくれました。一度、体感してみたいものです。

一旦、野川からはなれて、 武蔵野の森公園に向かいます。

武蔵野の森公園

掩体壕(えんたいごう)です。
第2次世界大戦中、敵の空襲から戦闘機を守るために作られた防空壕のような物で、「飛燕」(ひえん)という戦闘機が格納されていたようです。こんなのが残っているのですね。

調布飛行場の隣にある見晴台からの眺めです。
ちょうどお昼時だったので、離着陸する飛行機はありませんでした。奥には、味の素スタジアムが見えます。とても眺めがよく気持ちの良い場所です。

野川公園に戻って、ピクニックランチです。

ピクニックランチ

本日のメニューです。
地元の新鮮な野菜や人気の食材を使ったメニューが食べられるようです。ケーニッヒは、とても有名ですね。ワクワクしながらランチボックスを開きます。

色とりどりでおいしそうです。
食べてみます。どれもすごくおいしく大満足でした。
ご一緒させて頂いた方とのお話も盛り上がりました。

デザートのピスタチオ・ダックワーズです。
とてもおいしかったです。
青空の下、紅葉を見ながらピクニックランチとても良かったです。
武蔵野コッツウォルズさん ごちそうさまでした。ありがとうございました。

今回は、ここまでになります。
次回・後編は、野川公園・武蔵野公園をレンジャーガイドさんに案内していただきます。お楽しみに!
後編はコチラ↓ からどうぞ!

あなたも野川の遊歩道を散策しながら、紅葉を楽しんでみては、いかがですか?

<主催者>武蔵野コッツウォルズ
https://www.musashino-cotswolds.jp/