散歩ライフ

街歩きを紹介するウエブマガジン

国分寺崖線と等々力渓谷を散歩~田園調布・等々力③~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

いよいよ、田園調布・等々力の最終回になります。今回は、宝来公園から等々力駅までを紹介します。(これまでのストックから厳選した散歩になります)

地形の特徴

全行程、歩いたルートを赤線で示しています。今回は③~の部分です。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
多摩川: 左上から右下へ流れています
多摩川の低地:多摩川に削られて出来た低地です。地図の左下の緑色部分になります
・台地:茶色から黄色の部分です

国分寺崖線:左上から右下へ続く台地(黄色)と低地(緑色)の境目は、崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続く崖のことを国分寺崖線と呼んでいます。
国分寺崖線のところどころ、緑色に浸食されている部分が川跡と思われます

このエリアは、国分寺崖線上の影響で急坂が多くなっています。どれぐらいの勾配なのか、実際に坂を登ったり下ったりして、愉しんで来ました。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

急坂

早速、国分寺崖線上にある勾配22%の急坂です。勾配22%と言うのは、水平に100m進んだ時に22mの高さを下ることを意味しています。

真っすぐ続く坂の向こうに武蔵小杉のタワマン群が見えます。とても気持ちの良いアングルです。

坂を下って、照善寺の門前まで進んでいきます。

照善寺です。堅固な城壁と堀に守られているように見えます。多摩川の作った低地と台地の境がここにあり、その高低差が大きいため城壁のように見えています。

堀のように見えるのは、丸子川です。流れが穏やかなので水面に景色が映ってとてもきれいです。

川沿いの道を田園調布八幡神社まで進み、今度は、坂を登っていきます。

坂の名前は、なんと「急坂」。確かに急な坂だけど……。急坂を登り切らずに、坂の中腹から田園調布雙葉学園に向かいます。

途中、急勾配の坂を登り下りしながら進んで行きます。

急勾配の標識が至る所にあります!

谷戸(ろうやと)

玉川浄水場の崖下で湧き出した水の流れです。勢いのよい流れが心地よいです。
田園調布雙葉学園の裏で見られますが、すぐに暗渠になってしまいます。

先ほどの流れが暗渠になって、田園調布雙葉学園の敷地内を流れています。中央部分奥に向かって真っすぐに暗渠の痕跡が見られます。

この付近は、籠谷戸(ろうやと)と呼ばれ、昔は、このあたりまで多摩川の水が来ていたそうです。

宇佐神社に向かう道中、急勾配の坂を登り下りしながら進んで行きます。

今回、最も急勾配の坂です。なんと、26%です。

道しるべの石碑を見つけました。
左:籠谷戸、右:多摩川 と書かれています。左の道から歩いてきました。石碑は新しいので最近作り直されたのでしょう。知らずのうちに古道を歩いていたんですね。

昔の風景に思いをはせながら宇佐神社に向かいます。

宇佐神社

宇佐神社の隣を通る坂(寮の坂と呼ばれている)です。ぐぃんと曲がったS字カーブの坂がなんともイイ感じです。右側のこんもりした高台に宇佐神社があります。実はこの高台、古墳です。

八幡塚古墳の上に鎮座している宇佐神社です。古墳の上に神社を立てるケースは多いようです。

さらに、足を進めるとまた古墳がありました。

御岳山古墳です。このあたりに古墳が多いのは、近くに多摩川があり、古くから住みやすい土地だったからでしょうか

いよいよ、等々力渓谷に向かいます。

等々力渓谷

等々力渓谷に入っていきます。流れているのは矢沢川です。この辺りは、まだ渓谷の雰囲気はありません。

川沿いの道を進んでいくと、川の両側に崖があらわれました。あたりも薄暗く、渓谷らしくなってきます。

不動の滝に着きました。切り立った岩の一部から勢いよく水が湧き出しています。

滝の音が渓谷に轟いていたことから「等々力」と名付けられたそうです。今は、轟くほどの音はしないのですが、昔はどんだけ水量が多かったのでしょうか? 気になります。

階段を上って、等々力不動尊に向かいます。

崖を登っていくような急階段で息は切れますが、上からの眺めは、なかなかです。

台地の上には、不動尊が鎮座しています。不動尊は水と縁があるというのを聞いたことがあるのですが、先ほどの滝を思い浮かべると納得です。

先ほどの階段を下って、渓谷に戻ります。

渓谷を歩いていると、だんだんとヒンヤリとした空気を感じ、涼しくなってきます。また、ところどころで崖からの湧水が矢沢川に流れ込んできます。

ちょろちょろとした流れですが、透き通った水を飽きずに見ていると清々しい気持ちになります。

赤い橋「ゴルフ橋」が見えるといよいよ遊歩道も終わりです。川は上流に向かって続いているのですが、これ以上先には進めません。

階段を上って台地に出るとそこはもう住宅街、一気に現実に引き戻されました。こんな住宅街のど真ん中で大自然が堪能できるのは、すばらしいですね。今回は、ここまでになります。

あなたも、都会のオアシス・等々力渓谷大自然を満喫してみては、いかがですか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密(竹内正浩・著/ 宝島社新書 )

特に「重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、見どころの写真が豊富に掲載されていて、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。

もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
田園調布~等々力エリアの街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,210円(2021/11/28 8:00時点)、発売:2019年3月

多摩川浅間神社と国分寺崖線を散歩~田園調布・等々力②

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

田園調布・等々力の2回目は、国分寺崖線上にある多摩川浅間神社(地図の②の部分)から宝来公園(③の部分)を紹介します。これまでのストックから厳選した散歩になります。

地形の特徴

全行程、歩いたルートを赤線で示しています。今回は②~③の部分です。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

多摩川浅間神社(地図の②の部分)は、国分寺崖線の突端にあります。立川から約30km続いてきた国分寺崖線が、ここで終わりを迎えるます。なんだか、しみじみしちゃいます。

地形図のA-Bラインを下の断面図で見てみます。

中央に山が2つあり、その間に谷があるのが分かりますね。この谷が宝来公園の谷筋になります。面白い地形ですね。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

多摩川浅間神社

国分寺崖線の突端に鎮座する多摩川浅間神社の参道です。国分寺崖線の終点でもあります。ワクワクしながら登っていきます。意外と階段の段数が少なく、すぐに着いてしまいました。お目当ての見晴台に向かいます。

見晴台に着くと、ぱ~っとパノラマが開けます。すごく見晴らしがいい! 心地よい風が吹いていて、こいのぼりも気持ちよく泳いできます。

見晴台から右手の方を見ると多摩川が上流からなめらかに蛇行して流れているのが分かります。雄大な川の流れを見ていると、不思議と気持ちが穏やかになっていきます。

多摩川の鉄橋上を東急線が轟音を立てながら、ひっきりなしに走っています。右奥にはちょこんと二子玉川の高層ビルが見えます。すばらしい眺めです。

見晴台の正面に見えるのが武蔵小杉のタワマン群と丸子橋です。このアングルはとても好きな眺めです。この見晴台はシンゴジラのロケ地になっていました。映画で「タバ作戦」の指揮所がおかれていた場所のようです。

丸子橋の奥には新幹線の鉄橋も見えます。

シンゴジラにちなんだお守りと絵馬を売っていました。映画では、この神社がゴジラからの破壊を逃れた事から、『ゴジラの破壊から難を逃れた厄難消除』の神社として人気が高いそうです。

シンゴジラとコラボした自動販売機もあります。

神社の本殿にお参りをします。実はこの神社、古墳の上に鎮座しているようです。

次は、多摩川台公園に向かいます。国分寺崖線上を尾根沿いに行けたらよかったのですが、台地が東急線の線路で分断されているため、一旦、低地に降りて、線路を迂回します。

多摩川台公園

国分寺崖線の上にある多摩川台公園に向かって、階段を登っていきます。結構な段数です。一気に上りきったら息が切れました。

台地の上には、亀甲山古墳をはじめとして、多くの古墳が残っています。近くに多摩川台公園古墳展示室があり、古墳の実物大のレプリカがあるのですが、コロナ禍で休館中。残念でした。

台地上(多摩川台公園)から田園調布側の丘を眺めます。写真の下に谷筋にある道路がすこし見えます。かなりの段差です。冒頭に紹介した「地形図のA-Bライン」の様子が実際に分かります。

谷筋の向こうにある丘には、とても立派なカトリック教会が見えます。一旦、谷筋に降りてゆきます。

左上に続いているのが谷筋の道です。右上の階段を上って、カトリック教会のある丘へ向かいます。

階段を登りきると、道を隔ててもう1つ階段がありました。上りきりました。

丘(台地)の上には、田園調布の高級住宅街が広がっていました。立派なお屋敷が連なっています。

この台地の上を宝来公園まで歩いていきます。

宝来公園

公園に入るといきなり、急な下り坂です。台地から谷へ、地形の高低差をうまく利用して作られた公園です。田園調布の高級住宅街のど真ん中にあるからなのでしょうか、きれいに整備されています。

公園から少し離れたところで地形を確認しました。

真ん中に見える交差点の右上に宝来公園があります。手前から奥に向かって進む道路をよく見ると、交差点部分が一番低くなっています。このことから、横に交差する道路が谷筋だというのが分かります。かつて川が流れていたようです。

宝来公園の池を散策しました。池のほとりまで、せり出した木々の新緑と黄色い菖蒲の花がとてもきれいでした。しばらく、ベンチにすわって景色を堪能しました。

今回は、ここまでになります。
次回は、都会のオアシス・等々力渓谷に向かいます。お楽しみに!
続きはコチラ↓ からどうぞ!

あなたも多摩川浅間神社の見晴台からパノラマを、楽しんでみては、いかがですか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京スリバチ地形散歩 都市新発見編(皆川典久・著/洋泉社
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社

特に「東京23区凸凹地図」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、地図上に川跡・暗渠、古道、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。
もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:2,200円(2021/10/26 7:00時点)、発売:2020年12月

高級住宅街とせせらぎ公園を散歩~田園調布・等々力①

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、これまでのストックから厳選した散歩の紹介です。
日本屈指の高級住宅街・田園調布から等々力まで国分寺崖線沿いを散歩してきましたので紹介します。

長い距離を歩いたので、3回に分けて紹介します。
今回は、田園調布駅から多摩川浅間神社まで
次回は、多摩川浅間神社から宝来公園まで
3回目は、宝来公園から等々力渓谷経由で等々力駅までになります。

地形の特徴

全行程、歩いたルートを赤線で示しています。田園調布駅から等々力駅まで歩いてきました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
多摩川: 左上から右下へ流れています
多摩川の低地:多摩川に削られて出来た低地です。地図の左下の緑色部分になります
・台地:茶色から黄色の部分です

国分寺崖線:左上から右下へ続く台地(黄色)と低地(緑色)の境目は、崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続く崖のことを国分寺崖線と呼んでいるようです。

国分寺崖線のところどころ、緑色に浸食されている部分が川跡と思われます
田園調布駅を境に西側(高級住宅街)が東側より高くなっていることが分かります

地形図のA-Bラインを下の断面図で見ると、西側の高級住宅街も平坦でないことがよく分かります。

真ん中の人のアイコンのある部分が東急線が入っている部分です。東急線より左側が高級住宅街です。住宅街の中で標高差が8mもあります。

それでは、この傾斜を実感するために行ってみましょう。街歩きスタートです。

高級住宅街

田園調布の駅を出ると、そこはすでにゴージャスな雰囲気が漂っています。右上の可愛い建物が旧駅舎、その奥に高級住宅街が広がっています。

ワクワクしながら階段を上って、旧駅舎に向かいます。

旧駅舎からの眺めです。噂通り、放射状に道路が一直線にビシッと伸びています。見ているだけで気持ちがいいです。

ロータリーには、ローズガーデン。赤、白、ピンクのバラが咲き誇っていました。また、次々に高級車が横付けされ、駅に向かう人が下りてきます。流石です!

右上に伸びる道を進んでいきます。緩い上り坂になっています。坂を登り切った所で左折します。この辺りは平坦です。

立派なお屋敷が連なっています。

旧駅舎の正面に見えた道路。駅に向かって結構下ってます。等間隔に植えられている街路樹もいい感じです。

高級住宅街の散策は一旦終わりにして、駅の向こう側に向かいます。

田園調布東側の低地

東横線を高架で横切り線路の東側に来ました。線路西側の壁はかなりの高さ! 線路を挟んで東西でこんなに標高差があるんですね。

道路右側の窪地にあるテニスコートを見に行きます。

テニスコートは、かなりの窪地にあります。窪地のテニスコートというと、大森テニスクラブを思い出します。大森テニスクラブは、射撃訓練場を転用したものだそうです。田園調布はテニスコートの前は、何だったんでしょうか?

線路東側の台地に向かって坂を登っていきます。

急傾斜の看板を発見! 14%の下り坂に突入です。

右が14%の急傾斜の道、左の道の方がもっと急な感じがしますが気のせいでしょうか? 右の道、グイ~ンと回り込んでいる感じがなんともイイ感じです。

息が切れるほどの急坂・どりこの坂を登り切って、田園調布せせらぎ公園へ向かいます。

せせらぎ公園

高低差のある地形を利用した田園調布せせらぎ公園。遊歩道から崖を利用した滝を間近に感じられます。暑い日だったので、一気に涼やかな気持ちになりました。

公園内にある石畳の階段、新緑の中を一直線に続いていて気持ちが良い。

崖下の湧水スポットです(北側にもう一か所あります)。管理をされている人に話を聞くと、都市化の影響で年々湧水量は減りつつあるとのこと、寂しいですね。

公園を出て、もう一度、台地の上まで進みます。

台地の上から富士見坂を下っていきます。眺望を楽しみに行ったのですが、高層建築が立ち並んでおり眺望はありませんでした。昔は、富士山が見えたので、そう名付けられたのですが……
でも、スルーっとS字に歪曲した坂はいい感じです。

富士見坂を下りきると、シンゴジラのロケ地として有名になった多摩川浅間神社です。今回はここまでになります。
次回、多摩川浅間神社からスタートです。お楽しみに!
続きはコチラ↓ からどうぞ!

あなたも田園調布の付近を歩いて、ゴージャスな雰囲気に浸ってみては、いかがですか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・増補改訂 東京スリバチ地形散歩(皆川典久・著/宝島社)

「東京スリバチ地形散歩」には、田園調布の地形が詳しく解説されています。

地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、地図上に川跡・暗渠、坂道の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。

田園調布の街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,980円(2021/11/22 7:00時点)、発売:2021年2月

国分寺崖線下の湧水と野川を散歩~国分寺②~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、野川の源流付近を細かく探検してきました。 併せて、国分寺崖線の上下に広がる武蔵国分寺と崖線下の湧水を散歩してきました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。国分寺駅を基点に逆時計回りで歩いてきました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図の右下の緑色部分になります
国分寺崖線 : 黄色と緑色の境目が崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続いています
・野川:地形図の中央・上部の池(日立中央研究所の大池)を源流として、国分寺崖線下の湧き水を集めて、右に流れてゆきます

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。国分寺駅の南口から西に向かって進みます。

野川の谷

武蔵野台地から野川の浸食によりできた低地に向かいます。

階段下から野川を望みます(中央・左下に黒色の看板しか見えません)。中央線の線路下を右から流れてきています。ちょうど、線路上には、特急あずさ(E353系)が来ました! 絵になります。

野川が線路下から流れ出てくるところに、もっと近づいていきます。

やっと、源流付近の野川の姿を拝むことが出来ました! 豊富な水量です! 感激です。

野川の谷から武蔵野台地へ登ってきました。結構な急坂です。
野川の谷を挟んで、国分寺駅方面が台地になっているのがよく分かります。いわゆるスリバチ地形のようです。

東山道武蔵路

東山道武蔵路の道幅が分かるように歩道が整備されています。左右に黄色い塗装の内側が、かつて 東山道武蔵路が通っていた場所になります。
この道は歩道なのですが、脇の車道の3倍ぐらいの幅があります。この道がいかに幅広なのか、分かっていただけると思います。

東山道武蔵路の復元模型です。恋ヶ窪谷に向かって右下に向かって傾斜しています。

このまま武蔵野台地上を南下してゆきます。国分寺崖線を下る直前にある武蔵国分寺・薬師堂に向かいます。

武蔵国分寺

武蔵国分寺・薬師堂の薬師如来像です。合掌。
毎年1回・10月10日にのみ御開帳されています。

薬師堂の参道です。国分寺崖線を降りてゆく形になります。
武蔵国分寺跡に向かいます。

武蔵国分寺・金堂跡です。多くの礎石が残されています。礎石の大きさに驚かされました。
付近のパノラマ画像です。中央の木立の左右に国分寺崖線上の風景が見られます。
左側(西国分寺方面)は住宅街、右側(国分寺方面)は雑木林なっているのが対象的で面白いです。

国分寺崖線下の湧水・真姿の池

武蔵国分寺跡資料館にあるジオラマです。国分寺崖線下に多くの湧水が湧き出ていることが分かります。ジオラマだと分かりやすいですね。

資料館の裏の湧水の様子です。勢いよく水が湧き出ています。是非、動画をご覧ください。

真姿の池です。弁財天が祀られています。

池の水は透き通っています。周りの景色が映りこんで、とても綺麗です

お鷹の道です。湧水の清らな流れです。流れの音に耳を傾けながら散布するのはとても気持ちが良いです。

ところどころで、国分寺崖線下の湧水の流れが合流してきます。
いくつもの箇所で湧水が湧き出ているのがよく分かります。

国分寺崖線下の湧水の流れが野川に合流している場所です(左上)。野川は右から左上へ流れ、二子玉川まで流れが続いてゆきます。
この場所には、国分寺崖線が迫っており、坂を登りきると目の前には国分寺駅があらわれます。

今回の街歩きは、ここまでになります。国分寺崖線下の湧水を十分に堪能しました。湧水の清らかな流れと自然あふれる武蔵野の風景に癒されました。

あなたも国分寺崖線下の湧水探しつつ、散歩してみてはいかがですか?

今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・多摩・武蔵野凸凹地図(皆川典久・真貝康之・和田文雄・荻窪圭:著/昭文社
・多摩・武蔵野スリバチの達人(多摩武蔵野スリバチ学会・監修/昭文社

特に、「多摩・武蔵野スリバチの達人」は、地図上に高低差が色分けされていて、台地・低地が手に取るようにわかります。また、地図上に川跡、坂道、古道の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討や街歩き後の振り返りにも最適です。さらに、現代地図と、明治時代以降の古地図がセットで掲載されているので、地域の変遷もわかります。国分寺エリアの街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,650円(2021/11/14 17:00時点)、発売:2021年9月

野川の源流部と姿見の池を散歩~国分寺①~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、以前から行ってみたかった野川の源流部を探検してきました。併せて、国分寺崖線の地形を利用して作られた殿ヶ谷戸庭園を散歩してきました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。西国分寺駅から国分寺駅まで歩いてきました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図の右下の緑色部分になります
国分寺崖線 : 黄色と緑色の境目が崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続いています
・野川:中央の池(日立中央研究所の大池)を源流として、国分寺崖線下の湧き水を集めて、右に流れてゆきます

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。西国分寺駅の北口から東に向かって進みます。

恋ヶ窪谷

武蔵野台地から恋ヶ窪(こいがくぼ)谷に下りてゆきます。

正面の道が鎌倉街道です。正面が武蔵国分寺跡方面になります。中央線の開通とともに分断されてしまいました。

左側の盛り上がっている所が日影山です。登ってみます。

日影山の尾根筋です。標高は約78m。階段を下ると姿見の池に続いています。
姿見の池との標高差は10mぐらいなので散歩にちょうどよい感じです。

日影山からは中央線を眼下に眺められます。中央線のこの区間は、台地を切り通して作られたのがよく分かります。電車が間近に通るので、隠れたビュースポットかも。

鎌倉街道に戻って、進んで行きます。

いきなり道の右手から川が流れ出していました。恋ヶ窪(こいがくぼ)用水です。
玉川上水から分水されています。一部は、姿見の池に流れ込んでいるようです。水が透き通っていて、とても綺麗です。用水に沿って進んで行きます。

姿見の池

姿見(すがたみ)の池です。池の水も透き通っています。自然あふれる風景を見ているとリラックスできます。

近くの案内板によると、この池の横には東山道武蔵路が通っていたようです。よくもまあこんな湿地帯を通したもんだと感心しました。

姿見の池から流れだした水が中央線の線路わきの用水路を流れていきます。野川に続いているようです。

西武線の高架下を通って、 日立製作所・中央研究所のわき道に入ってゆきます。

西武国分寺線の電車です。ググっとカーブしている感じがいいですね。昔ながらの黄色の車両は懐かしいです。
右の塀の中日立製作所・中央研究所です。

野川の源流部

日立製作所の大池です。野川の源流部になります。

野川源流部の流れです。水量が豊富に感じます。是非、間近に見てみたいです。また、紅葉の時期はもっと綺麗かもしれませんね。

画面奥の道が低くなったところで、野川は右側の日立製作所から中央線の地下をくぐって流れていきます。野川のここから先の流れは、次回紹介します。

中央線を高架で渡って、中央線南側に行きます。殿ヶ谷戸(とのがやと)庭園に向かいます。

殿ヶ谷戸庭園

殿ヶ谷戸(とのがやと)庭園です。国分寺崖線の斜面を利用して作られた庭園です。三菱財閥の岩崎家の別邸として利用されていたようです。
国分寺駅前にこんな素敵な庭園が保存されているのが素晴らしいですね。

殿ヶ谷戸庭園の湧水です。東京の名湧水57選の1つになります。

湧水のせせらぎに心が洗われます。是非、動画をご覧ください。

殿ヶ谷戸庭園の紅葉亭からの眺めです。圧倒的に素晴らしい景色に癒されます。紅葉の時期はもっと素晴らしいでしょうね。来年以降のお楽しみに取っておきます。

今回の街歩きは、ここまでになります。次回、国分寺の南側を散歩して、国分寺崖線下の湧水と
野川の続きを紹介します。コチラ↓ からどうぞ!

あなたも野川の源流部を探検してみてはいかがですか?

今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・多摩・武蔵野凸凹地図(皆川典久・真貝康之・和田文雄・荻窪圭:著/昭文社
・江戸・東京 古道を歩く: 古地図と地形図で発見!(荻窪圭・著/山川出版社

特に、「 江戸・東京 古道を歩く 」には、鎌倉街道東山道のことが詳しく解説されています。国分寺エリアの街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,980円(2021/11/9 7:00時点)、発売:2020年11月

麻布の台地・南側の坂道を散歩~南麻布~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、これまでのストックから厳選した散歩の紹介です。
前回「元麻布の台地」の南側の坂道を愉しんできましたので紹介します。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。田町駅から広尾駅まで歩いてきました(歩行距離 約8.5Km)。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dで作成 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・古川:地形図・左端中央部を流れてきた渋谷川が天現寺交差点付近から古川と名前を変えます。古川は、途中から首都高2号目黒線の高架下に入るので、地形図では川の流れが分からなくなります。麻布十番駅のところで右にカーブし右端上部に向けて流れていきます。

・古川の低地:古川の流れに沿って、川によって浸食された低地(緑色部分)が広がっています。特に中央下部には湿地帯が広がっていたようです。

・南麻布の台地:地形図・中央のうす茶色部分です。

南麻布の台地の傾斜がどのようになっているのか、地形図のA-Bラインを断面図で見てみます。

中央の窪みに古川が流れています。台地の西側斜面と東側斜面を比べると東斜面は非常に急ですね。古川との標高差が18mもあります。古川によって浸食されたせいでしょうか? 面白いですね。
ちなみに右側の丘(標高12m)には、慶應義塾大学があります。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。田町駅から慶應義塾大学の脇にある坂道を目指します。

三井俱楽部の丘

綱坂(つなさか)です。平安時代の武士・渡辺綱(わたなべのつな)がこの付近で生まれたというのが由来のようです。
坂の右側にイタリア大使館(伊予・松山藩邸跡)、左側には綱町三井倶楽部(日向・佐土原藩邸跡)があり、洗練された街並みが続きます。

綱坂のてっぺんまで来ました。綱町三井倶楽部の風格のある建物が目に入ってきました。ジョサイア・コンドルの設計と聞いて納得しました! ネオ・バロック風の特徴があるそうです。会員制のため庶民は中には入れませんが、一度は建物の中も見てみたいですね。

三井倶楽部の前の坂を古川に向かって下ってゆきます。

日向坂(ひゅうがさか)です。徳山藩毛利日向守の屋敷があったことから名付けられたようです。
アイドルグループ「日向坂(ひなたざか)46」と同じ表記ということで、一気に知名度が上がったようです。坂をゆったりと下ってゆきます。

古川の低地

首都高高架下を流れる古川です。古川の二之橋からの眺めです。
この辺りは、川の上が高架によっておおわれていないので、開放感があっていいです。

交差点を渡って仙台坂を途中まで進み、大韓民国大使館の下の道に入ってゆきます。

マンションの間に壁(崖)が見えます。台地の高さは、低地に立つマンション3Fと同じぐらいの高さがあります。かなりの段差です! 冒頭の断面図(台地の東側斜面が急になっている)がこれで実感していただけましたか? 

高低差が実感できる風景もいいですね。
ちょっとだけ台地に上ってから、坂を下ります。

絶江坂(ぜっこうざか)です。坂の途中にある曹渓寺(そうけいじ)の名僧・絶江から名付けられたようです。
緩やかな坂が南に向かって続いています。この辺りは、台地の南斜面で日当たりが良く、住むにはもってこいです。古川に向かって坂を下ってゆきます。

古川の「四の橋」付近にある薬園坂(やくえんざか)です。坂上に幕府の御薬園(薬草栽培所・小石川植物園の前身)があったことから名付けられたようです。
坂のカーブの曲がり具体がいいですね。カーブの先にどんな風景が広がっているのか、ワクワクしながら坂を登ってゆきます。

薬園坂の窪地(竹ケ谷)

薬園坂の近くにある窪地を竹ケ谷(たけがやつ)と呼んでいたようです。竹ケ谷を探検しに行きます。

薬園坂の途中で曲がって「奴坂(やっこざか)」に入ってゆきます。奴坂の由来は、竹ヶ谷(たけがやつ)の小坂で「谷小坂(やつこざか)」がなまったものなど諸説あるようです。
道の奥・横断歩道の辺りが一番低くなっています。ここが谷筋です。

谷筋を下ってゆくと、突然、小さな池が見えてきました!

釣り堀(衆楽園)だったところです。現在は営業をしていないようです。住宅街の中で、ひっそりと釣りをするのは楽しそうです。

衆楽園に流れ込んでいた川筋を上流に向かって辿ります。

南麻布三丁目保育室の裏路地まで上って来ました。それとなく川跡の感じがします。

台地の南西部を目指します。南斜面で日当たりが良く、大使館や高級住宅が立ち並んでいます。

南斜面のハイソなエリア

有栖川清水(懐石料理)の入り口です。高い生垣に真っすぐ続くエントランスが素敵です。この辺りは、盛岡藩南部家の下屋敷があったようです。大名屋敷は、台地上のいい所に立地してたんですね。

南西斜面を低地に向かって下ってゆきます。

青木坂です。旗本・青木氏の屋敷があったことから名付けられたようです。
坂の左側には、フランス大使館公邸が広がっていますが、塀が高く中の様子を覗くことはかないません。ほぼ一直性に続く、なだらかな坂をゆっくりと下ってゆきます。

坂を降りた後、新富士見坂を登って台地上を目指します。

新富士見坂のてっぺんです。富士がよく見えるため名付けられたようです(今回は見えませんでした)。
正面の建物、南欧風でしょうか? とても素敵です。周囲にも豪邸や高級マンションが立ち並んでいます。

台地上を豪奢な建物を眺めながら進みます。

南部坂です。坂の隣にある有栖川宮記念公園辺りも、盛岡藩南部家の下屋敷だったようです。そんなところから南部坂と名付けられたようです。坂の高低差やカーブの曲がり具合がとてもイイ感じです!

台地の西斜面を利用して作られた有栖川宮記念公園をゆっくり散策しながら広尾駅に向かいます。今回の街歩きは、ここまでになります。

あなたも南麻布の台地・南斜面のハイソな雰囲気を楽しみながら、坂を愉しんでみてはいかがですか?

今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京スリバチ地形散歩 都市新発見編(皆川典久・著/洋泉社
・東京スリバチの達人 分水嶺東京南部編(皆川典久・著 /昭文社

特に「東京スリバチの達人 分水嶺東京南部編」は、地図上に高低差が色分けされていて、台地・低地が手に取るようにわかります。また、地図上に川跡・暗渠、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討や街歩き後の振り返りにも最適です。さらに、現代地図と、明治時代、江戸時代の古地図がセットで掲載されているので、地域の変遷もわかります。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,650円(2021/10/30 12:00時点)、発売:2020年12月

麻布については、コチラ↓の記事もご覧ください。

狸にまつわる麻布の地形を散歩~元麻布~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、これまでのストックから厳選した散歩の紹介です。
元麻布を中心に狸に名前が付いた場所を散歩してきました。麻布の起伏に富んだ地形も楽しんできました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。神谷町駅から麻布十番駅まで歩いてきました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dで作成 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・古川:地形図・左端下部を流れています。途中から首都高2号目黒線の高架下に入るので、地形図では川の流れが分からなくなります。麻布十番駅のところで右にカーブし右端中央に向けて流れています。

・古川の低地:古川の流れに沿って、川によって浸食された低地(緑色部分)が広がっています。特に中央下部には湿地帯が広がっていたようです。

・元麻布の台地:地形図・中央の茶色部分です。

元麻布の台地は深く浸食されている部分があるので、地形図のA-Bラインを断面図で見てみます。

断面図の中央に小さな窪みがあります。そこに「がま池」があります。がま池の水は北東方向に川として流れ、台地を浸食したようです。上の地形図からも川跡の痕跡が分かります。
元麻布台地の右側崖下には、善福寺が鎮座しています。その参道には崖下の湧水が見られます。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。神谷町駅から飯倉交差点に向けて緩い坂を登ってゆきます。霊友会釈迦殿前が見えてきたら右に曲がります。

霊友会釈迦殿前のにある雁木坂です。階段になった坂を雁木坂と言うようです。足慣らしに、階段を一気に登って飯倉の坂上に出ます。

狸穴坂の窪地

ロシア大使館の脇にある狸穴坂(まみあなざか)を下ってゆきます。

昔、坂下に狸の住んだ穴があったことから江戸時代に名付けられたようです。この地名は地元住民の保存運動により、現在も「麻布狸穴町」として住所に使われています。歴史を感じる地名ですね。

坂を下った所には、狸穴公園があります。

公園内には、狸穴稲荷神社があります。狸の名前の付く稲荷神社は面白いですね(お稲荷様の使いは狐なので、狐と狸がコラボしているところが面白いです)。神社の奥に石垣が見えます。公園は麻布台の崖下に作られているようです。

麻布台にむかって坂を登ってゆきます。

鼠坂(ねずみざか)です。ネズミしか通れないような細長い坂のことを江戸時代に「ねずみ坂」と呼んでいたようです。現在は拡張され、道幅が広くなってしまったので、細長い感じはありませんでした。

麻布十番の谷

飯倉片町交差点の下から麻布十番の谷を眺めます。

目の前の道は、麻布通りです。永坂とも呼ばれているようです。名前の由来は、麻布台上から麻布十番へ続く長い坂だからとのことです。そこそこ急な坂を谷底に向かって下ってゆきます。

今度は、谷から元麻布の台地上を目指して登ってゆきます。

暗闇坂です。樹木が生い茂り昼でも暗かったことから名付けられたようです。

暗闇坂の頂き付近です。「樹木が生い茂り昼でも暗い」感じがでていますね。暗闇坂の名残を発見してテンションが上がります。先が見通せない位ぐぃーんと曲がっているカーブがとてもイイ感じです。

暗闇坂の頂上です。この地点、4つの坂道の頂上になっている珍しい場所です。中央の車が出てきたのが暗闇坂、右の坂が大黒坂、左の道が一本坂、左上の道が狸坂です。頂上から4つの坂を1つ1つ見下ろします。坂好きにはたまらない場所です!

狸坂の窪地

左上の道・狸坂を下っていきます。人をばかす狸が出没したことから名付けられたようです。

坂下の交差点から奥に続く道が上り坂に変っています。蛇行もしています。川跡(古川の支流)のようです。奥から流れ降りてきて、交差点で右に流れを変え下り坂を流れていたようです。

狸坂を下って、交差点で左の狐坂を進んで行きます。狸と狐が隣り合っているのが面白いです。

狐坂です。左の石柱のところで本光寺の脇道に入っていきます。暫くいくと公園があり、外国人の子供が多く遊んでいます。やはり麻布は大使館が多くあり、外国人が多く住んでいるのですね。実感しました。

冒頭の断面図でご紹介した「がま池」が広がっていたところです。昭和の初期までは、テニスコート6面分ぐらいの広さがあったようです。その後、大部分が埋め立てられてしまいました。
今も「がま池」は残っているので、どこかで見られないかと周囲を回ってみました。残念ながら、周りを住宅に囲まれていて直に見ることは叶いませんでした。グーグルマップを使って、やっと存在が確認できました。グーグルマップ↓の真ん中の水色の部分が「がま池」です。

元麻布の台地


緩やかな坂を登って、元麻布の台地上に出ました。尾根筋の道を進んで行くと、素敵な建物が目に入ってきました。

日本キリスト教団 安藤記念教会です。礼拝堂は1917年に建てられ、大谷石による総石造りです。正面に見えるアーチ型のステンドグラスは巨匠・小川三知の作です。建物は、素朴で重厚な作りですが細かい装飾が施されていて素敵です。

更に進んで行くと仙台坂上の交差点です。五差路になっています!

車で見えませんが、右の仙台坂を下って善福寺に向かいます。

善福寺の参道からの眺めです。台地上に建つ元麻布ヒルズはスタイリッシュな高層建築。一方、崖下の善福寺は伝統的な建築様式。新旧のギャップが面白いです。
参道脇には、崖下の湧水「柳の井戸」があります。少量ですが清水が湧き出していました!

今回の街歩きは、ここまでになります。麻布の台地と谷を巡って、鼠、狸、狐にまつわる地形を堪能しました。また、直に見ることはできせんでしたが、「がま池」の探検を愉しみました。

あなたも麻布の起伏に富んだ地形を散歩気分で楽しんでみてはいかがですか?

今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・「水」が教えてくれる東京の微地形の秘密(内田宗治・著/実業之日本社

特に「 「水」が教えてくれる東京の微地形の秘密 」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。また、現代地図と、大正時代の古地図がセットで掲載されているので、地域の変遷もわかります。さらに、モデルルートの記載があるので、すぐにでも街歩きに出かけられます。街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,100円(2021/10/26 7:00時点)、発売:2019年7月