御殿山・八ツ山・島津山・池田山を散歩~品川・五反田~
こんにちは
突然ですが、いろいろ思うところがあり、はてなブログから引っ越しをしました。この機に、名前もPorto(ポルト)に変更し、心機一転スタートします。
過去の記事は、順次、引っ越してゆく予定です。また、ワードプレスには、不慣れなのでお見苦しい点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は、城南の台地にある4つの山(御殿山、八ツ山、島津山、池田山)の地形を愉しんできましたので紹介します。
地形の特徴
今回歩いたルートを赤線で示しています。品川駅から白金台駅まで歩いてきました(歩行距離 約6km)。まずは、このエリアの地形の特徴からです。
<地形の特徴>
・目黒川:地形図・左端上部から流れてきて中央下部に流れてゆきます
・目黒川の低地:目黒川の流れに沿って、川によって浸食された低地(緑色部分)が広がっています
・昔の海岸線:右側の濃い緑色と深緑色の境(京浜東北線)より右が海だったようです
・城南の台地:目黒川と昔の海岸線に挟まれた黄色~茶色の部分です
城南の山というと城南5山が有名ですが、そのうち標高の高い4つの山を、A-Bラインの断面図で見てみます。
左から花房山(はなぶさやま)、池田山、島津山、八ツ山になります。花房山以外は殆ど同じ標高(約20m)なのが面白いです。
ちなみに城南5山のもう一つの山は、御殿山です。こちらは標高が約15mと低くなっています。
それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。
品川駅から第一京浜を新八ツ山橋交差点に向けて進みます。緩い坂を登ってゆくと道の左隣には八ツ山、正面には御殿山が見えてきます。まずは、御殿山を目指します。
御殿山と八ツ山
江戸時代、将軍の鷹狩の休息所として御殿があったことから名付けられたようです。
御殿山には、人工的に土砂を採取された跡(窪地)が見られます。
幕末、ペリー来航とともに外国船から江戸を守る必要に迫られました。そこで品川沖に軍事施設(人工の島・お台場)作りました。その時、埋め立てにつかう土砂を採取されたようです。
御殿山庭園と東京マリオットホテルです。
庭園の池は、土砂を採取された後の窪地を利用したようです。歴史の名残が感じられます。庭園には、土地の高低差を利用した滝があって、とても気持ちの良い場所でした。
八ツ山は、海岸に突き出た岬が八つあったことから名付けられたようです。
八ツ山の開東閣(かいとうかく)入り口です。
開東閣は旧岩崎家高輪邸で、現在は三菱グループの迎賓施設として使われています。残念ながら、一般公開はされていません。木々が覆い茂っており、建物を見ることはかないません。設計はジョサイア・コンドルなので、一度はリアルに見てみたいですね。
開東閣の脇の道を北に進んで行きます。
急に窪地が現れました。高輪南町児童遊園です。ここも、お台場をつくるために土砂を取った所のようです。八ツ山を深いところまで削り取ったんですね。
八ツ山から品川駅への眺めです。低地に続く階段と品川・港南口の高層ビル群のコントラストがとてもイイ感じです。
八ツ山から島津山に向かって坂を下ってゆきます。
都内で●番の急坂です! 黄色いテープを張っているので何番目かは、はっきりしません!
都内で一番と言うほど急ではなかったように感じました。黄色いテープをめくってみたい気持ちを抑え、先に進みます。
なにか気配を感じると思い、辺りを見回すと猫ちゃんに見られていました!
地域柄でしょうか、品が良さそうな猫ちゃんです。とても可愛らしく、しばらくお見合いをしていました。猫ちゃんに出会えるのも街歩きの楽しみの一つです。
島津山
仙台藩伊達家の下屋敷のあった高台を、旧薩摩藩の島津家が引き継ぎ「島津公爵邸」となったことが由来のようです。現在は、清泉女子大学本館となっています。
旧邸宅のある高台を下った所にある門前の広場です。
高台にある旧邸宅から門を眺めました。かなりの高低差です。山と呼ぶにはふさわしい高さです!
旧邸宅です。ジョサイア・コンドルの設計で、イタリア・ルネサンス様式のようです。重厚な作りで迫力を感じます。
島津山から池田山に向かいます。
池田山
五反田駅から五反田公園を突っ切って、池田山に続く坂道です。左脇に石垣、程よい勾配、なだらかなカーブなど、いい感じの坂です。
池田山の南西角から崖下への眺めです。石垣の高さが結構あります!
池田山の台地上には、高級住宅街が広がっていますが平坦ではありませんでした。結構起伏があって意外でした。
池田山にある「ねむの木の庭」です。正田邸の跡地に作られた公園です。閑静な高級住宅街の真ん中で、素敵なお花を観賞できます。ゆったりとした時間を過ごせ、すごくリラックスできました。
上之谷
池田山から今回最後の目的地、上之谷に向かいます。池田山公園下から目黒通り近くまで弧を描くように続いている谷筋です。
池田山公園に向かう下り坂です。今回は、池田山公園には向かわず途中で路地に入ってゆきます。
路地から谷筋に下ってゆく階段です。階段が段丘状に続いているのがイイ感じです。
谷筋の道です。道の蛇行度合いからして川跡と思われます!
谷筋を進んで行くと、谷頭に近づいてきました。上り坂が見えてきました。段々道幅が細くなっていて、その先にどんな風景が待っているのか興味をそそられます。坂を登ってゆきます。
坂を登り切りました。歩いてきた道(右)を振り返るとY字路になっていました。かなりシャープなY字路です。こんな鋭角でも住宅が作れるもんなんですね。感心しました。
左の道には三田用水が通っていたようです。
今回の街歩きは、ここまでになります。城南の4つの山を散歩してきました。昔の大名屋敷跡は、今でも住宅地として一等地なんですね。
皆さんも城南のお山を散歩しながら、洗練された街並みを愉しんでみてはいかがですか?
今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京スリバチ地形散歩 路地大冒険編(皆川典久・著/洋泉社)
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社)
特に「東京23区凸凹地図」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、地図上に川跡・暗渠、古道、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。
街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。
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