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国分寺崖線とはけの道を散歩~国分寺・小金井~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、これまでのストックから厳選した散歩の紹介です。
以前から行ってみたかった都内屈指の湧水スポット貫井神社に行ってきました。併せて、国分寺崖線の名前の由来となった国分寺から小金井にかけて散歩しました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。国分寺駅から東小金井駅まで歩いてきました(歩行距離 約6.5km)。高低差は約20mと勾配が激しいコースでした。 まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図の上半分の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図の下半分の黄色から緑色部分になります
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。国分寺から田園調布あたりまで続いています
・野川:左端中央の池(日立中央研究所の大池)を源流として、国分寺崖線下の湧き水を集めて、右下に流れてゆきます。

全ルートの高低差も見てみます。

<全ルートの高低差>
台地と低地の高低差は約20mです。高低差が大きく、坂は急勾配になっていることが分かります。急勾配のため、階段が設置されているところも多くなっています。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。国分寺駅に降りると、北口はタワーマンション&大規模再開発で、昔の面影がありませんでした。逆に、南口は昔のまんまでホッとしました。

歩き始めてすぐの殿ヶ谷庭園につきました。国分寺崖線の斜面を利用した庭園で見たかったのですが、今回は時間がないのでパスせざるを得ませんでした。後ろ髪を引かれながら先に向かいます。東京経済大の新次郎池も工事中でした。2つとも次回の楽しみに取っておきます。

新次郎池の脇にあるくらぼね坂です。逆S字に蛇行していて、とてもいい感じの坂です。

この坂は上らずに、「はけの道」を進んで行きます。崖のことを武蔵野地方の方言で「はけ」と言ったそうです。

国分寺崖線下を通る「はけの道」です。貫井神社に続いています。

貫井神社

貫井神社・社殿です。 古くは貫井弁財天と称され、明治維新の後に貫井神社と改称されたようです。社殿の背後に国分寺崖線が迫っています。社殿脇の崖下から、湧水がこんこんと湧き出ていました。ここは、都内有数の湧水スポットで東京の名湧水にも選定されています。

貫井神社の池です。社殿脇から流れ出た湧水が、この池に流れ込んでいます。池からあふれた水は野川へ流れ込んできます。
池に流れ込む湧水に手を浸すと、勢いがあって、ひんやり冷たく心地いい! 時を忘れて、ゆったりと浸っていたい感じでした。

境内の坂を台地の上へ登ります。連雀通りを滄浪泉園に向かって進みます。

国分寺崖線の坂

滄浪泉園(国分寺崖線の斜面を利用した素晴らしい庭園)に寄りたかったのですが、ここも時間がなく断念しました。

弁車の坂(べんぐるまのさか)です。滄浪泉園すぐ東側の坂になります。見通しのよい、なだらかな坂をゆったりと下ってゆきます。

坂下の薬師通りを金蔵院に向けて進みます。途中、国分寺崖線上に魅力的な坂(平代坂、念仏坂など)がいくつも見えてきましたが、時間の関係で心を鬼にして先に進みます。

金蔵院です。国分寺崖線の下に鎮座しています。一帯は崖下の湧水に恵まれ、古くから人々が定住していたと言われています。小金井発祥の地とされているようです。

車屋の坂(くるまやのさか)です。昔、坂沿いに上水が流れ、2か所水車が設けられていたことから名付けられたようです。坂の左側にある「はけの森緑地」の木々が坂の上を覆っています。蛇行する階段のたたずまいが川跡を連想させ、なんとも素晴らしい坂です。

坂上の連雀通りです。歩道も広くなってきれいに整備されていました。武蔵小金井駅方面を望むと高層マンションが建っていました。崖下ののどかな風景とのギャップがすごいですね。

白伝坊の坂(はくでんぼうのさか)です。この坂を下ると小金井神社に着きます。

小金井神社・はけの小路

小金井神社です。創建は1205年で、武蔵野開拓にあたり菅原道真公の徳を敬い社殿を造り、天満宮としたと伝えられています。明治維新後に小金井の総鎮守として小金井神社と改称されたようです。修復中でしたが立派な社殿でした。

はけの小路に向かいます。

はけの小路です。小路の脇には国分寺崖線下の湧水の流れがあります。雰囲気がとてもいいです。トトロが出てきそう。

野川です。子供が無邪気に遊んできます。護岸されていますが、緑に覆われているので自然な感じでホッとします。のどかな雰囲気で癒されます。野川はこの先、二子玉川まで流れ、多摩川と合流します。

ムジナ坂

ムジナ坂です。雑草が生い茂りたびたびムジナに出会った事から名付けられたようです。今回、最後の坂です。ゆっくり、かみしめながら登ります。
冒頭の「全ルートの高低差」を見ていただくと、最も急な坂なのがわかります。直線的で力強くのがとても印象的です。今回の一押しの坂とさせていただきます!

武蔵野台地上の平坦な道を東小金井駅に向かいます。

東京農工大学です。オシャレな門に変りました。校内を通り抜けさせて頂きました。

東小金井駅です。中央線の高架化に伴い、小綺麗になりました。スタバがあります! 昔と大違いです。

今回の街歩きは、ここまでになります。念願の貫井神社と国分寺崖線を堪能して大満足でした。以前住んだことのある土地なので、昔を思い出しながら楽しみました。今回は、駆け足で回れなかったところも多々あり、今後の楽しみが出来ました。

あなたも国分寺崖線を散歩しながら、無数にある多様な坂を楽しんでみてはいかがですか?

今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・多摩・武蔵野凸凹地図(皆川典久・真貝康之・和田文雄・荻窪圭:著/昭文社

「多摩・武蔵野凸凹地図 」は、地図上に高低差が色分けされていて、台地・低地が手に取るようにわかります。また、地図上に坂道・階段、古道の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討や街歩き後の振り返りにも最適です。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:2,200円(2021/10/8 17:00時点)、発売:2021年9月