散歩ライフ

街歩きを紹介するウエブマガジン

国分寺崖線と静嘉堂文庫を散歩~二子玉川・後編~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、二子玉川周辺の国分寺崖線を巡る散歩の後編です。カトリック瀬田教会(下の地形図の②)から用賀駅(地形図の③)までの紹介になります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。二子玉川駅から用賀駅まで歩きました。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
多摩川: 左下の川幅の太い流れです
・野川:左端中ほどから右下へ続く、川幅の細い流れです。二子玉川駅付近で多摩川と合流します
・低地:多摩川や野川などに削られて出来た低地です。地図の左下の緑色部分になります
・台地:右上の茶色から黄色部分です
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。立川から国分寺を経由し、田園調布あたりまで続いています
・丸子川:国分寺崖線下を、左上から右下に向かって流れています(地形図では分かりにくいです)

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。

慈眼寺坂を登りきると、台地の上には、カトリック瀬田教会があります。
台地上にあるのは神社だけではないのですね。

教会の正面の道が大山道(旧道)です。そのまま進むと用賀に向かいます。
今回は、国分寺崖線を堪能したいので、まむし沢に向かいます。

まむし沢

台地上から、まむし沢を下り始めます。
まむしのようなS字カーブが続いています。

まむし沢の石碑です。
沢と言うことで、昔は川が流れていたそうです。今では、暗渠となっているようです。
イイ感じのS字カーブが続きます。

まむし沢を下りきると、またまた、丸子川に出会いました。
丸子川沿って、しばらく上流へ歩いてゆきます。

旧小坂家住宅

崖下のエントランスから旧小坂家住宅にアプローチします。
この住宅は、大正・昭和の実業家・政治家の小坂順造の別邸として建てられたようです。

エントランスを抜けると、目の前には庭園が広がっています。
国分寺崖線の南西斜面を利用して、うまく作られています。
庭を散策しながら、ゆっくりと坂を登ってゆきます。

坂上の旧小坂家住宅・玄関です。
玄関前の紅葉が色づき始めて良い感じです。

旧小坂家住宅の横の馬坂を下ってゆきます。
ぐぃーんと曲がるカーブの具合がとても良い感じです。

静嘉堂文庫

坂を下ると、正面に静嘉堂文庫の入口が見えてきます。

入口からすぐのところで、谷戸川にぶつかります。
谷戸川は、この先で丸子川に注ぎ込みます。

雑木林を貫く一本道を上ってゆきます。
辺りはとても静かなので、秋風にそよぐ木々の音が心地いいです。

坂を登りきると静嘉堂文庫が見えてきました。
タイル貼りの瀟洒な外観と丸く剪定された樹木がとてもマッチしています。
西欧に来たような感じを受けます。

静嘉堂文庫は、岩﨑彌之助と岩﨑小彌太の父子二代によって設立されました。
国宝7点、重要文化財84点を含む、およそ20万冊の古典と6,500点の東洋古美術品が収蔵されているようです。

岩崎家廟(三菱財閥創業家・岩崎家の納骨堂)です。
設計はジョサイア・コンドルです。
すごく立派な建物なので、とてもお墓には見えません。

静嘉堂文庫の丘より用賀方面を望みます。
手前には谷戸川が削って出来た低地が見えます。目線の高さに見えるのは聖ドミニコ学園の校舎です。台地上に建っています。
スリバチ地形がよく分かる眺めにテンションが上がります!

ゆっくりと谷戸川の低地に下りてゆきます。結構、高低差があります。

谷戸川です。
川の両側の地形が高くなっていることから、ここが谷だということを実感できます。

本日、最後の坂です。聖ドミニコ学園の横を通る坂です。
カーブの曲がり具合ととてもイイ感じです!
紅葉し始めた木立を中をゆっくり、坂を堪能しながら登ってゆきます。

今回は、ここまでになります。
あなたも国分寺崖線の地形を利用して造られた旧邸宅など散歩してみませんか?

今回は以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社
・重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密(竹内正浩・著/ 宝島社新書 )

特に「重ね地図で愉しむ 江戸東京「高低差」の秘密」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、見どころの写真が豊富に掲載されていて、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。

もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
二子玉川エリアの国分寺崖線を散歩される方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:1,210円(2021/12/13 17:00時点)、発売:2019年3月