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「ほっこり野川の旅」に行ってきました・後編~小金井・三鷹~

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は、武蔵野コッツウォルズさん主催の「ほっこり野川の旅」の後編です。野川公園(下の地形図の②)から武蔵小金井駅(地形図の③)までの紹介になります。

地形の特徴

全行程のルートを赤線で示しています。東小金井駅から野川まで南下し、野川沿いを散策したあと国分寺崖線を上って、武蔵小金井駅に戻ってきました(走行・歩行距離:約10km)。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
武蔵野台地:地図・右上の茶色から黄色部分です
・低地:多摩川や野川に削られた低地です。地図・左下の黄色から緑色部分になります
国分寺崖線 : 茶色(黄色)と緑色の境目が崖になっています。立川から国分寺を経由し、田園調布あたりまで続いています
・野川:国分寺崖線に沿って、左上から右下に向かって流れています

それでは、実際に行ってみましょう。ツアースタートです。

野川公園・武蔵野公園

ピクニックランチの後、野川公園内を散策しました。

紅葉ピークのイチョウの大木です。
1本だけ広場の真ん中にドーンとありました。
根元から2本の木が分かれていますが、均整がとれて、とても素敵です。

イチョウの並木です。
落葉が地面を黄色く染めています。
落葉の上を歩いてみます。靴を通して感じる落葉の感触とカサカサと響く音が、晩秋を実感させてくれ、とても心地よいです。

野川公園内の自然観察園に向かいます。観察園は、国分寺崖線直下に広がっています。

レンジャーガイドさんと一緒に園内を歩きながら、今の時期に特徴的な植物の説明していただきました。ガイドさんの話は、植物への愛が溢れていて、とても話が面白かったので、写真を撮り忘れてしまいました。

この赤い実は、「サネカズラ」の実です。茎などからとれる粘液は、昔、整髪料に使われていたようです。ガイドさんが、粘液をわざわざ準備頂き、触らせてくれました。確かにネバネバして、髪を整えるのに使えそうでした。

ガイドさんと一緒に武蔵野公園に向かいます。

武蔵野公園のくじら山からの眺めです。
とても眺めがよいので、パノラマ写真を撮ってみました。
奥の森林の帯の部分が国分寺崖線です。その森林帯の手前に野川が流れています。
目の前に広がる眺望を見ていると、とても清々しい気分になります。

小金井新橋から野川の眺めです。
ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」のモデルになった場所の一つだそうです。スタジオジブリは、同じ小金井市内にあるので、この素敵な風景が採用されたのも頷けます。

野川の遊歩道を後にして、はけの森美術館に向かいます。

はけの森美術館・中村研一邸と茶室

はけの森美術館の裏にある中村研一邸と茶室に来ました。
ここも国分寺崖線の斜面を利用して作られています。

中村研一邸の主屋です。今は、カフェとして利用されています。
落ち着いた雰囲気のなか、ゆったりコーヒーを頂いてみたいです。

茶室・花侵庵(かしんあん)です。
中村研一氏は、茶碗を自作するなど茶に凝っており、庭の湧水も豊富に出ていたことから、ここに茶室を作ったようです。湧水で淹れたお茶は、どれだけおいしかったのでしょうか。想像するだけで、喉が鳴ります。

庭にある湧水スポットです。
雨の少ない秋ということもあり、ちょろちょろとしか湧き出ていませんでした。崖上が住宅地になってしまった影響もあり、湧水は少なくなっているようです。ちょっと、寂しいですね。
野鳥のさえずりが心を落ち着かせてくれました。

庭から表門に続く道です。
竹林の中を国分寺崖線を上ってゆくのは、趣きがあっていいですね。
京都の嵯峨野・竹林の道をほうふつとさせてくれます。

はけの道を通って、小金井の総鎮守・小金井神社に向かいます。

小金井神社

小金井神社の参道からの眺めです。
新しくなった社殿と紅葉がとても綺麗です。

社務所の前には、グラデーションの美しい紅葉があり、目を奪われます。

神社の狛犬です。
台座に関小次郎と書かれています。幕末・明治期の大親分だった小金井小次郎の本名です。子分は1200人余りもいたようです。 狛犬の寄進など神社の再建に力を尽くすなど仁義を重んじる人だったようです。神社の方が詳しく説明してくれました。

薬師通りを通って、滄浪泉園 に向かいます。

滄浪泉園(そうろうせんえん)

滄浪泉園の東側の坂を上って行きます。国分寺崖線を上る形になります。

弁車の坂(べんぐるまのさか)です。
きつい傾斜が長く続いています。ここを自転車で上って行きます。
3段変速を1番軽くして頑張りましたが、半分ぐらい来たところで力尽きました!
諦めて、自転車を押して登ってゆきます。押して登るものきついです……

滄浪泉園の池です。
夕方で辺りは薄暗くなりかけていたので、うっそうな感じでした。池の周りの紅葉はもう少しって感じです。

滄浪泉園は、明治・大正期の富豪・波多野承五郎の別荘として建てられました。庭園は、国分寺崖線の斜面と湧水を利用して巧みに作られています。

池の一角から湧水が湧き出していました。
豊富な湧水の様子を動画↓でご覧ください。

勢いのある流れです。せせらぎの音が和ませてくれます。
敷地内には、水琴窟(すいきんくつ)もあります。耳を澄ませば、心地よい音が疲れた心を癒してくれます。滄浪泉園も、再度訪れ、ゆっくり散策したいなと思いました。

「ほっこり野川の旅」は、ここまでになります。
野川流域でも小金井・三鷹・調布エリアは、広大な都立公園によって、自然が多く残されていることを実感しました。
今回のツアーは、野川流域の見どころを余すことなく網羅しており、とても楽しく、大満足でした。素敵なコースに招待して下さった武蔵野コッツウォルズさん、ありがとうございました。

今度は、花見の季節に徒歩で同じコースをゆっくりと回ってみたいと思います。

あなたも国分寺崖線の地形を利用して作られた邸宅や庭園・自然園・湧水を散策しながら、紅葉を楽しんでみては、いかがですか?

<主催者>武蔵野コッツウォルズ
https://www.musashino-cotswolds.jp/